不登校の子どもたちは、心理的にどのような状態?
不登校の子どもの心理的状態
不登校解決に向けた様々なアプローチを進めていく上で、不登校の子どもが、どのような心理的状態にあるのかを理解しておくことは、子どもとの適切な関わり方を考えていく上で、とても重要です。
人の欲求階層は、根源的なものから
- ①生理的欲求
- ②安全の欲求
- ③愛情・所属の欲求
- ④自尊の欲求
- ⑤自己実現の欲求
これら5つの欲求は・・・
- 「生理的欲求」から順々に満たされていくもので、
途中のいずれかの欲求が満たされていないと、
次の欲求を充足することはできません。 - 虐待・ネグレクト下にある子どもたちは、「生理的欲求」さえも危うい状況にあり、個人の人格的成長、精神的成長、自尊感情の獲得、社会的成長といった面に、様々な問題を引き起こすため、早急の対応が必要です。
不登校の子どもたちは・・・
- 「安全の欲求」、「愛情・所属の欲求」、「自尊欲求」が十分に充足されてないケースが多く、次の高次の欲求にステップアップできない状況にあります。
- そのような心理的状況にある児童は、周囲の視線が気になり、不安を感じ、自信をもって行動することができないため、不登校になりやすくなります。
このような症状を、回避性パーソナリティ障害と言います。
心理的サポートが進むと、子どもの表情や言動に変化が表れる!
改善の兆候
親や家族、学校が、適切な心のサポートをしていくと、
- 「生理的欲求」「安全の欲求」、「愛情・所属の欲求」、「自尊欲求」は順次満たされ、
子どもは自信を取り戻します。 - このようにサポートしていく過程をコンフィデンス・アプローチと言います。
- 子どもが必要としている欲求を適切に見極め、その欲求を満たすための働きかけをしたり、
環境を整えたりすることが不登校の解決につながります。
安心感・安全感を感じ、自信を取り戻すと・・・
- 子どもの言葉や表情に変化が表れます。
- 探索行動が表れます。
探索行動が表れるのは、不登校の子どもが安心感・安全感 を感じられる人(心理学的には、「安全基地」と言います)が存在している証です。 これは、改善に向かう好ましい変化です。
■外出する。
■近くのお店に買い物に出かける。
■「アルバイトがやってみたい」、「働いてみたい」と話す。
■学校に行ってなくても、友だちと遊ぶ。 等々 - 赤ちゃん返り的な言動が見られることもあります。
これらの変化は、不登校解決につながる良い兆候です。ポジティブに受け止め てください。
■「お母さんといっしょに寝たい」と言う。
■あまえてくる。
不登校改善レポート・セミナー等のお知らせについて
- 保護者の皆さんに役立てていただきたい情報を、「クローバーだより」などにまとめ、
毎月、HPのトップに掲載しています。
子どもさんとの「よりよい関わり方」の参考にしていただきますと、幸いです。