複数の要因やきっかけを一つ一つ紐解いていく必要があります。
不登校を解決するために理解しておくべき
不登校の要因
要因1:自己肯定感の低下
- 自己肯定感が低下すると、「自分は周囲からどう見られているのだろうか」「また失敗しないだろうか」といった不安が募り、回避性パーソナリティー的症状を発します。自分に自信が持てず、周囲に不安や恐怖を感じる状況です。
- 学校に行くのが不安になると、頭痛・腹痛等の身体的症状が表れたり、無気力・自己否定等の精神的症状が見られたりするようになります。
- いじめや、友人関係のつまずき、先生の対応によっても自己肯定感が低下します。
- 自己肯定感を低下させる要因は、学校の中にも、家庭の中にも潜んでいます。
例えば、・・・
■失敗のくり返し
■学習のつまずき
■非承認
■注意や叱責
■成功体験の欠如
■愛着関係の不足
■共感性の不足
■否定、禁止 等々
要因2:学校でのストレス(場合によってはトラウマ)
- 要因1と関連しますが、学校や友だちとの関係、学校の勉強がよく分からないといったストレスや、失敗したりからかわれたりいじめられたりといった経験のくり返し、あるいはその記憶が不登校を誘引します。
- 学校でのストレスには、例えば、次のようなものがあります。
■悪口
■からかい
■仲間はずし、いじめ
■無視
■裏切り
■学力不振
■友だちや部活の先輩との人間関係のつまずき
■共感者の不在 等々
要因3:親と子の関係・家庭環境の変化
- 子どもが不登校になると、親も平常心で子どもと関わることがむずかしくなってきます。しかし、ネガティブな言動は、不登校を悪化させるだけでなく、引きこもりを誘引する要因にもなりかねません。
- 不登校解決には、子どもが安心・安全を感じられる接し方や環境づくりがきわめて重要です。
- 次のような言動や接し方は、不登校を誘引したり拗らせたりします。
■子どもに対する大きな期待
■根性・努力の過大視(弱さの否定)
■離婚、家庭不和
■交換条件(~ができたら、~してあげる)
■学歴主義、お金の話
■愚痴や人の悪口
■生活リズムの乱れ(睡眠不足)
■栄養バランスの不十分な食事
■インターネットやゲームへの依存
■愛する人の病気や死別
■友だちや兄弟姉妹との比較
■強制、管理、提案、禁止
■責任転嫁
■親の先回り行動
■過保護、過干渉
■ため息 等々
不登校を解決するために理解しておくべき
不登校のきっかけ
不登校の要因と不登校のきっかけは、ちがう!
- 1回の失敗で不登校になるケースは、ほとんどないと言っていいです。
- 日々の生活の中で、要因1~3に挙げている不安や悩み(要因)が蓄積し、もう耐えることのできない状況へと精神的に追い込まれている時に、何かの心理的圧力(きっかけ)が加わった時、不登校は起こります。
- したがって、不登校を解決していくためには、複雑に絡み合っている複数の要因やきっかけを一つ一つ紐解いていく必要があります。
不登校を解決するために理解しておくべき
不登校の子どもに表れる症状
不登校の兆候は、次のような症状を伴い、数ヶ月から数年前に表れています。
毎日、子どもの目や表情をよく見ましょう。親子のコミュニケーションをしっかりとりましょう。
「何か元気がない」、「何かおかしい」と思ったら、早め早めの対応が大事です。
身体症状
- 腹痛、下痢、吐き気、過敏性腸症候群
- 頭痛
- 睡眠障害(不眠、朝起きられない、起立性調節障害等)
- 疲労、だるさ
精神的症状
- 不安、緊張、葛藤
- 無気力、無反応(目が合わない)、アパシー(無感動)
- 対人不安・恐怖
- イライラ、落ち込み
- 自己否定(「どうせできない」「やっても無理」など)
学習意欲・学力の問題
- 集中力・学習意欲の低下
- 理解力の低下
生活・行動の変化
- 昼夜逆転
- 暴言・暴力、無視
- 部屋から出てこない
- インターネット・ゲーム依存